なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2022年
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痒みがひどく、飲み薬と塗り薬を出してもらっていますが、特に夜は痒みが止まらず、眠れない日があります。よい方法があれば教えてください。
(69歳 女性 PD歴6年5ヵ月)
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腹膜透析(PD)患者さんの60%以上に痒みがあるといわれています。透析に関連する痒みの原因は多数あり、また複数の原因が重なっている場合も多く、治療抵抗性であることが知られています。透析不足や腎不全に合併した二次性副甲状腺機能亢進症の可能性もありますが、これは主治医の先生が工夫してくださっていることと思います。
皮膚や肝臓の病気などでも、昼間に比べ夜間は痒みが強くなることが知られており、皮膚の乾燥や体温の上昇などが関与しています。お風呂や布団で体が温まることも夜間の痒みの原因ですので、夜はシャワーだけにしたり、痒い部分を冷やしたりするとよいでしょう。また石鹼やボディソープの使用、体のこすり過ぎで皮脂が減る場合もあるため、中止をご検討ください。保湿剤は十分な量をしっかり塗ることで最大の効果を発揮します。調剤薬局で正しい塗り方を確認しましょう。このように、生活の工夫と薬剤の適正な使用で症状が緩和することもありますので、主治医の先生にご相談ください。
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弘前大学医学部附属病院
腎臓内科・講師 藤田 雄 先生