腎不全の治療
腎臓病が進行し、末期腎不全の状態になると、腎臓の働きを代替えする『腎代替療法』(透析や腎移植)が必要となります。自分に合った治療を医療スタッフと話し合い選択するために、どのような選択肢があるか確認してみましょう。
腎不全治療の選択肢
腎不全の治療(腎代替療法)には大きく分けて「透析治療」と「腎臓移植」があり、さらに「透析治療」はおうちで行う「おうち透析」と通院して行う「通院透析」に分かれます。
- 「おうち透析」とは?
- ヴァンティブは、在宅での治療となる腹膜透析および在宅血液透析をより多くの患者さんに認知していただくために「おうち透析」と名付けました。
透析になっても、今まで通りの自分らしい生活を送るために『おうち透析(腹膜透析)』という治療方法があります。 - おうち透析はどこでも選べる?
- おうち透析(腹膜透析)は限られた医療機関でのみ提供されているため、どの医療機関でもおうち透析(腹膜透析)を選択できるわけではありません。
透析治療
おうち透析
腹膜透析の動画を見る-
腹膜透析
APDCAPD
- 在宅血液透析詳しくはこちらからご覧いただけます。
(在宅血液透析学会のサイトへ移動します)
通院透析(血液透析)
動画を見る- 血液透析
透析療法の比較
透析療法についてそれぞれの特徴は以下のようにまとめることができます。個々の治療方法の詳細を確認する際の見取り図として、またご家族や専門医、医療スタッフに相談する際の比較表として参考にしてください。
動画でわかる腎不全の治療
自分に合った腎不全の治療方法を見つけるために
患者さんと医療スタッフが一緒に自分に合った治療をみつけていくという考え方
腎不全の治療は、患者さんのこれからの生活を支える大切な治療ですが、様々な不安の中で、病気や治療のことを理解して、自分ひとりで治療を決めることは、決して容易ではありません。
そこで、医療スタッフは患者さんに病気や治療法についての情報を伝え、患者さんやご家族は医療スタッフに生活環境や好み、大切にしていることなどの気持ちを伝えることで、一緒に自分に合った治療をみつけていくという考え方が重要と考えられています。
一人で悩まずに相談してみませんか
治療について知りたいこと、不安なこと、日々の暮らしの中で楽しみにしていること、続けたいこと、大切なこと、思いや状況は一人一人異なります。
また、治療を選ぶ理由もひとそれぞれです。自分に合った治療を見つけるために、患者さん一人で悩むのではなく、ご家族や医療スタッフに自分の思いや希望、状況を伝えて相談してみましょう。
腎不全の治療について詳しく知る
おうち透析(腹膜透析)
おうち透析の一つである腹膜透析は自分の体の中の「腹膜」を利用して血液をきれいにする方法です。自分自身で、または介助者にサポートしてもらいながら、自宅や会社等で行います。
寝ている間に機械を使って自動的に行う方法(APD)と、日中に数回透析液を交換する方法(CAPD)があります。
治療は毎日行い、通院は月に1~2回程度です。。
血液透析(HD)
血液透析(HD)は、血液を体外に取り出し、透析器に循環させて体内に戻すことで血液を浄化する方法です。
通常、週3回医療機関に通院し、医療スタッフによって、1回3時間~5時間かけて行われます。
自宅に透析装置を設置し、自分で透析を行う「おうち透析(在宅血液透析)」という方法もあります。
腎移植
腎移植は、他の方の腎臓を、腎不全で腎臓が機能しなくなった方に移植し、その人の腎臓として働くようにさせる方法です。家族・配偶者から提供を受ける「生体腎移植」と 脳死や心臓死になられた方から提供を受ける「献腎移植」があります。
腎不全の治療を受けられる患者さんに知っておいてほしいこと
治療法は変更することも可能です
治療を続けている間に、体調や生活に変化が起きることもよくあります。一度選んで始めた治療法でも、病状や生活環境の変化に応じて、治療法を変更することが可能です。
例えば、仕事を続けるためにおうち透析(腹膜透析)を選択し、定年退職後に通院時間が確保できるようになって血液透析(HD)に変更する、血液透析(HD)を選択したものの通院が負担になってきたのでおうち透析(腹膜透析)に変更するなど、個々の患者さんの病状や事情に合わせて検討することが出来ます。
治療を始めた後でも、体調や生活について、主治医や医療スタッフに相談しながら、その時々で自分に合った治療を見つけていきましょう。