快適な生活を送るためのその他のヒント

透析治療を受けながら仕事を続けている方も多くいます。治療の選択肢によって調整が必要になることもありますので、職場と相談してみましょう。

血液透析（HD）の場合は、透析を受ける日は透析のスケジュールに合わせて、仕事を早めに切り上げるなど、仕事の時間を調整する必要があります。透析のスケジュールには、午後や夕方から始めるパターンもあり、また、自宅に透析器を設置して患者さん自身が行う「在宅血液透析」という方法もありますので、詳しくは主治医に確認しましょう。

おうち透析（腹膜透析）の場合は、夜間機械で自動的に透析液の交換をするAPDを利用することで、昼間の仕事時間を確保できます。また、日中に透析液の交換が必要な場合は、昼休みなどに職場で交換している方もいます。この場合は職場と相談をして交換場所を確保してもらいましょう。

透析を受けていても旅行はできます。移動や旅行ができることは、多くの透析患者さんにとって、充実した生活を送るための大切な生活の一部です。海外旅行を楽しんでいる患者さんもいます。
自宅から離れている間も透析治療を続ける必要がありますので、具体的に旅行の計画を立てる前には、主治医の先生に相談しましょう。安全に旅行する方法をアドバイスしてくれたり旅行先での透析治療の手配を手伝ってくれます。

血液透析（HD）では、旅程に透析日がかかる場合は、旅行先で透析治療を受けることになりますので、主治医に相談をして旅行先の透析医療機関の手配が必要となります。

おうち透析（腹膜透析）の場合は、透析液や必要な器材を事前に旅行先に送るか、持参することで、旅行先でも治療を続けることが可能です。念のため、旅行日数分にプラスして、数日分の透析液や器材を準備するようにしましょう。

いずれの場合も、安心して旅行を楽しめるように、事前に十分に計画を立てて、早めに主治医に相談しましょう。

腎臓病に伴うホルモンの変化や精神的な状態によって性交渉に影響が現れる場合がありますが、腎臓病だからといって、満足のいく性交渉ができないわけではありません。パートナーと充分話し合い、必要に応じて主治医にも相談してみましょう。恥ずかしがる必要はありません。

血液透析（HD）の場合、透析で通院している医療機関へ連絡を取り、医療機関で透析治療が行えるか確認しましょう。通院施設が被災するなどして透析治療が行えない場合は、他の施設での治療などの指示を受けることになります。

おうち透析（腹膜透析）の場合は、自宅に透析液と透析に必要な器材があれば治療を続けることが可能です。

いずれの場合も、いざという時に備えて、災害時の対応について日頃から医療スタッフに確認をして備えることが大切です。

透析治療を行う患者さんが、経済的に安心して治療を続けられるように、社会保障制度が用意されています。
詳しくはこちらをご確認ください。

腎不全治療と保険制度