なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
2022年
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保存期には蛋白質を制限した食事療法を行っていましたが、PD開始後は蛋白質を少し取るようにと言われました。これまで制限していた蛋白質を取ることが不安なのですが、本当に食べても大丈夫でしょうか?
(58歳 男性 PD歴6ヵ月)
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PDを行うと1日10g程度の蛋白質が体から透析液に移行します※。交換する透析液の量が増えることによっても蛋白質の喪失量が増加します。 蛋白質の摂取量が少な過ぎると低栄養を招き、筋肉量が減ったり骨折しやすくなったりして、その後の経過や心不全、脳卒中などにも関連することが知られています。それらを防ぐため、適度な蛋白質の摂取が推奨されています。PD患者さんの蛋白質摂取量は、適正なエネルギー摂取(標準体重×30~35kcal)を前提として、標準体重1kg当たり0.9〜1.2g/日とされています。
※人により、または腹膜炎を起こしたときなどの状態によって異なります。
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日本赤十字社愛知医療センター
名古屋第二病院腎臓内科 副部長 新城 響 先生