なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2021年
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腹膜透析(PD)を始めてまだ1カ月です。排液を終了する目安を教えてください。毎回終了するタイミングを迷っています。
(75歳 男性 PD歴1カ月)
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「感覚」として:おなかに入れたチューブの先端がどこにあるかにもよりますが、排液中にお尻の裏がツンツンと痛んだときがおなかの中が空っぽになった合図です。
「量」として:血圧が上がったり体がむくんだり体重が増えたりする場合は、透析液がおなかの中に残っている可能性があります。チューブの先端がお尻の裏にないことも考えられるので姿勢を変えるなどして、しっかり排液が止まるまで続けましょう。
「時間」として:PDは毎日、そしてこれから何年も行う治療です。1回のバッグ交換に30分以上かけなければならないのは避けたいところです。排液に時間がかかるときは、チューブの先端が不適切な位置に移動している場合や、チューブの先端におなかの中の脂肪組織などが絡んでいる場合がありますので、主治医と相談しましょう。
少し極端かもしれませんが、チョロチョロと流れる残り10ccを5分間×1日4回じっと眺めるよりも、気持ちを切り替えてその時間を運動に当て、汗を流すのも前向きな対応です。
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福井県済生会病院
内科医長/血液浄化療法センター長
上川 康貴 先生