なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2020年
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腹膜透析(PD)導入前はカリウム制限により基準値を保てていたのですが、PD開始後は血液検査でカリウムの値が思いの外低下しています。なぜでしょうか?
(65歳 男性 PD歴1年)
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腹腔の中に貯留している透析液内にはカリウムが含まれておらず、カリウムは血液内から腹膜を介して透析液内に移動し、排出されます。そのため、PD開始前は食事制限を徹底されて基準値が保たれていたのに対し、PDの開始後も同様のレベルで食事制限を続けた場合、PDによっても体内からカリウムが排出されるため、低カリウム血症になるケースも考えられます。あるいは利尿薬を服用されていて、今でも毎日しっかりと排尿があると、薬の影響が強く出てしまう場合があります。いずれにしろ主治医に相談し、食事や服薬の内容を見直されるとよいかもしれません。
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社会医療法人明陽会 成田記念病院
腎・糖尿科 部長 小林 直人 先生