なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2019年
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たんぱく質にはリンが多いと聞いて控えていましたが、筋肉が落ちて歩くのが大変になってしまい、病院でたんぱく質をもっと取るようにと言われました。リンの値が上がるのが心配ですが、たんぱく質は控えない方がよいのでしょうか?
(79歳 男性 PD歴3年)
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たんぱく質もリンも生き物の細胞の中には必ず含まれています。食べ物を構成するのは肉でも野菜でも細胞の集まりですから、体の力を付けるためにたんぱく質を摂取すれば、必ずリンも一緒に体に入ってきます。しかし、食べ物によってたんぱく質とリンが含まれる割合は異なります。例えば、卵の黄身にはたんぱく質もリンも豊富に含まれていますが、白身には良質のたんぱく質が多く含まれるもののリンの含有量は多くありません。麺類も蕎麦とうどんではたんぱく質含有量が同じでも、リンの量は蕎麦の方が3倍です。つまり、たんぱく質の量は同じでもリンの含有量が少ない食品を選べばよいのです。こういった「たんぱく質の取り方」の秘訣は栄養士さんがよくご存じですから、一度教えてもらうとよいと思います。
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福井県済生会病院
腎臓内科 部長 潮木 保幸 先生