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腹膜透析の情報誌「スマイル」

腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。

記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。

2019年

腹膜硬化症が心配です。個人差はあると思いますが、年齢や原疾患などと発症リスクは関連しているのでしょうか?

(58歳男性 PD歴6年2ヵ月 HD併用1ヵ月)

日本の被囊性腹膜硬化症の発症率は0.9~2.4%と報告されています。発症には腹膜の劣化が関わっており、その原因として、糖尿病をはじめとする基礎疾患、加齢、尿毒素、薬剤、腹膜炎、透析液の種々の生体刺激因子(酸性、高乳酸濃度、高浸透圧、高ブドウ糖濃度、ブドウ糖分解物)などが関与するといわれています。また、PD期間が長くなるほど、腹膜劣化は進むと考えられており、腹膜機能低下(除水不全)、腹膜炎、透析期間(8年以上)などが危険因子とされています。
2004年の日本の報告によると、腹膜硬化症の発症頻度はPD期間が3年で0%、5年で0.7%、8年で2.1%、10〜15年で5.8~5.9%、15年以上で17.2%と、透析期間が長くなるほど増加しています。しかし、最近では透析液が改良され、頻度は減っています。2014年の日本の報告では、3年未満で0.31%、3〜5年で0.55%、5〜8年で2.31%、8年以上で1.20%です。PDの中止時期については、かかりつけの先生とよく相談してください。

回答者
貴生病院 副院長 門田 智香子 先生

貴生病院

副院長 門田 智香子 先生

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