なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2019年
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日中に数回透析液を交換するCAPDを行っていますが、排液が終わるころにお腹の奥の方が痛くなることが多く、少しつらいです。最近はバッグ交換の前に痛み止めの薬を飲んでいますが、大丈夫でしょうか?
(80歳 女性 PD歴5ヵ月)
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透析液が空になった際、お腹の中に留置されたカテーテルの刺激で下腹部に痛みを感じる場合があります。基本的な対応法としては、以下の3つがあります。①排液バッグの位置を少し高めにして、排液のスピードを遅くする②体重の増加や足のむくみがなく、尿がしっかりと出ているのであれば、排液を全て出し切らずに100mL程度の透析液をお腹の中に残す③CAPDから、排液するときに一部の透析液を入れ替える「タイダール法」のAPD(寝ている間に機械を使って自動的に透析液を交換する方法)にシステムを変更する。
これらの対応法が困難な場合は、痛み止めを飲むということになります。痛み止めの薬のうち、非ステロイド抗炎症薬は胃潰瘍や腎障害などの副作用が起こるため、頻回の服用は注意が必要です。特に、尿がまだ出ている方には、あまり服用をお勧めしません。一方、アセトアミノフェンは比較的副作用が少なく、服用しやすいでしょう。
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地方独立行政法人 奈良県立病院機構
奈良県総合医療センター腎臓内科部長 松井 勝 先生