なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2019年
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腹膜透析(PD)から血液透析(HD)に移行となり、PDをやめることになった場合、カテーテルを抜去する時期はどのように決められるのでしょうか?
(60歳 男性 PD歴7年4ヵ月 HD併用8ヵ月)
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HDへの移行時のカテーテル抜去の時期は、患者さんの病状・腹膜の状態等により異なります。PDの合併症の1つである腹膜全体が炎症で肥厚する被嚢性腹膜硬化症の発症を予防する目的で、HDへ移行した場合でもすぐにカテーテルを抜去せずに1日1回透析液で腹膜洗浄を行い、排液の性状や腹膜機能の推移を観察してカテーテル抜去時期を決定することもあります。当院では、特に長期間PDを施行している患者さんには一定期間のカテーテルの留置をおすすめすることがあります。しかし、腹膜炎などの合併症になり、PDをやむを得ず中止する場合は、カテーテルにばい菌が付着している可能性がありますので、速やかにカテーテルを抜去しなければならないケースもあります。
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地方独立行政法人 奈良県立病院機構
奈良県総合医療センター腎臓内科部長 松井 勝 先生