なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2018年
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LDLコレステロールが高めです。LDLコレステロールが高いとどのような影響があるのでしょうか?また、まずは薬に頼らず、運動や食事で改善したいと考えていますが、気を付けるべき食品などがあれば教えてください。
(59歳 女性 PD歴1年3ヵ月)
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LDLコレステロールは、動脈の内側の壁に付着して動脈硬化を促進させます。コレステロールが多く付着すると動脈が狭窄していきます。また、付着したコレステロールが剝がれて血管を閉塞させると、心筋梗塞や脳梗塞が起こります。LDLコレステロールが10mg/dL上昇すると、心筋梗塞になるリスクが15%増加するともいわれています。健常者の基準値は140mg/dL未満ですが、透析患者さんは高リスク群に属するため、120mg/dLが目標とされています。また、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の既往がある方は、100mg/dL未満が管理目標値となります。なお、コレステロールを多く含む代表的な食品として、卵(鶏卵、魚卵を含む)が挙げられます。卵はそのものを食べなくても揚げ物、マヨネーズ、お菓子など多くの食品に使用されています。そのため自分で思っている以上に摂取しているケースも多く、注意が必要です。
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独立行政法人 地域医療機能推進機構
四日市羽津医療センター透析センター長 三宅 真人 先生