なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2018年
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冬は暖房を入れて厚着していても寒いほど極度の寒がりですが、夏は冷房フル稼働状態です。腹膜透析(PD)患者は体温調節が難しいのでしょうか?
(67歳 男性 PD歴2年)
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体温は自律神経といって自分の意志では支配できない神経によって調整されています。PD患者さんに限らず、慢性腎臓病(CKD)の人では尿毒症の影響で自律神経が障害を受けているため、体温調整機能が低下しています。また、腎不全に伴う貧血(腎性貧血)も体温調整に影響を及ぼすといわれています。そのため、夏は体温が上昇しやすく、逆に冬は体温が低下しやすいのです。透析を適切に行うことで自律神経機能を幾分回復させることができるといわれていますが、それでも十分に回復するとはいえません。健常者と体感温度に差が出てしまうのは仕方がないことですが、冷暖房を上手に活用して体温管理を行うことが大切です。特に暑い夏は熱中症に注意しましょう。
- 回答者
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独立行政法人 地域医療機能推進機構
四日市羽津医療センター透析センター長 三宅 真人 先生