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腹膜透析の情報誌「スマイル」

腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。

記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。

2018年

PDを始めて5年で、そろそろ血液透析(HD)への移行の話が出ています。被囊性腹膜硬化症の話も聞きました。もう少し長く続けている方もいるようですが、HD移行は何を基準に検討されるのでしょうか?

(63歳 女性 PD歴5年2ヵ月)

HD(またはPD+HD併用療法)への移行は、①適正な透析量が確保できなくなった場合、または②被囊性腹膜硬化症(EPS)の発症リスクが高くなった場合に検討されます。残存腎機能は徐々に低下するため、PD単独ではいずれ毒素と水分の十分な除去が困難になります。血液検査で毒素(尿素窒素、β2ミクログロブリンなど)の値が高くなり、浮腫や胸水、治療しても改善しない高血圧が見られる場合は毒素や水分を十分に除去できていないと考え、HDへの移行を検討します。
EPSはPDの継続期間が長いほど、そして腹膜の劣化が進むほど発症しやすくなります。PD歴が5年を超えてきたり、腹膜炎を繰り返したりすると、HDへの移行を検討すべき時期となります。また、腹膜劣化の判断のために、定期的に腹膜平衡試験(PET)を行うことが勧められており、カテゴリーHighが続く場合は、PDの中止を検討します。

回答者
奈良県総合医療センター 腎臓内科 医長 森本 勝彦 先生

奈良県総合医療センター

腎臓内科 医長 森本 勝彦 先生

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