なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2018年
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最近よく貧血気味といわれます。実際、ときどき立ちくらみを起こすことがあります。貧血を治すことはできますか?また、激しい運動はやめた方がよいでしょうか?
(53歳 男性 PD歴2年3ヵ月)
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腎臓ではエリスロポエチンという造血ホルモンが産生されていますが、慢性腎臓病の方ではこの産生が低下し、貧血となります。この場合、エリスロポエチンを注射で補充することで、貧血を改善させることができます。また、貧血は鉄分の不足によっても起こり、その場合は、鉄分を補充します。透析患者さんの貧血の原因は大半がこの2つですが、エリスロポエチンや鉄分の補給で改善しない場合は、胃や腸から気付かないうちに出血していることや、骨髄で血がつくられていないということもありますので、主治医と十分に相談されることを勧めます。
貧血のときは、疲れやすかったり、軽い運動で息切れをするなどの症状が出るため、日常生活に支障が出たり、転倒などを起こすことも考えられます。貧血が改善するまでは激しい運動は控えた方がよいでしょう。
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奈良県総合医療センター
腎臓内科 医長 森本 勝彦 先生