なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2018年
-
よく足がつるのですが、透析をしていることと関係がありますか? 対処法があれば教えてください。
(70歳 男性 PD歴4年5ヵ月)
-
血液透析(HD)中の方で起こる足のつりは、急速な除水に伴う筋肉の脱水症状のような状態と考えられます。しかし、これはほとんどのPD患者さんには当てはまりません。PD患者さんの足のつりはカリウム、カルシウムといった電解質の異常が原因であることが多く、それ以外に末梢神経障害がある方では筋肉の異常な緊張が突然起こることで足がつると考えられています。電解質の異常は血液検査で分かりますので、主治医の先生とご相談ください。神経障害に対しては、神経の修復を助けるビタミン剤の内服が有効な場合があります。また、透析により血液中のカルニチンという物質が不足するとつりが起こりやすくなるともいわれており、カルニチンを補充することで改善することがあります。筋肉に急激な負担がかかることもつりの原因の1つです。日ごろから足のストレッチなどの運動を定期的に行い、予防することも大切です。
- 回答者
-
国立病院機構 千葉東病院
血液浄化センター長 首村 守俊 先生