なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2018年
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腹膜透析(PD)をできるだけ長く続けたいと思っていますが、どのようなことに気を付ければよいでしょうか?
(65歳 男性 PD歴3年2ヵ月)
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PDはご自分の腎臓の機能(残存腎機能)に応じて、体内の余分な水分や塩分、老廃物を除去する治療です。そのため、残存腎機能が低下していくにつれて透析が不十分になる可能性があります。PDを長く続けるには、できるだけ残存腎機能を保つことが大切です。それには、腎臓に負担をかけないための血圧管理、食事療法(特に塩分制限)が重要となります。過剰な塩分摂取は体液量の増加につながり、これを是正するために利尿薬を追加したり透析液の濃度を変更したりすることもありますが、こうした方法は残存腎機能の低下を早めてしまう可能性があります。また、出口部感染、カテーテル感染、腹膜炎などの感染症によってPDの継続を断念する方もいますので、正しいバッグの交換方法を確認し、適切な出口部のケアを行うことも重要です。
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国立病院機構 千葉東病院
血液浄化センター長 首村 守俊 先生