なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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寒い時季になると、汗をかかないせいか体重のコントロールが難しく、週に1~2回、サウナで汗をかいて体重をコントロールしています。これは大丈夫でしょうか? 注意すべき点はありますか?
(44歳 男性 PD歴5年6ヵ月 HD併用4年)
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体重が増加して医療機関のスタッフから注意されることを避けるために、サウナで汗を流して体重増加を抑えようとする患者さんがいらっしゃいます。しかし、減量のためにサウナで急激に大量の汗をかくことは、体液量が減少して血圧低下を来す可能性や、血管内脱水による血液濃縮で心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす危険性が高くなります。長期に透析療法を受けている患者さんは発汗障害を有していることが多く、サウナに長時間入ることが熱中症の誘因となる危険性もあります。そのため、透析患者さんがサウナに行く場合には、長時間の入浴や 減量目的で行くことは好ましくありません。特に循環器疾患を合併している患者さんは避けるべきです。サウナに入る際には誰かが付き添うようにして、1人では入らないようにしましょう。
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順天堂大学 医学部附属練馬病院
腎・高血圧内科 准教授 井尾 浩章 先生