なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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出口部がかさぶたとなり、時々出血しています。何かよい方法はないでしょうか? また、病院での治療は必要でしょうか?
(77歳 男性 PD歴1年2ヵ月)
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通常、腹腔内に留置されたカテーテルは皮下を通って皮膚表面に出てきます。3~6ヵ月程度で出口部ではカテーテルと皮膚が密着します。状態の良い出口では、カテーテルは表皮に包まれるようになります。ご質問の患者さんはPD歴1年以上ですので、正常な状態の出口であれば出血することはまずありません。原因として大きく2つのことが考えられます。1つは出口・トンネル感染を起こしている可能性があります。この場合には、出口部に不良肉芽(イボのようなもの)を形成していることが多いです。こちらへの対処法は、医療機関での適切な治療です。2つ目は機械的刺激(外部からの牽引や摩擦)によるものです。こちらには、出口から先のカテーテルをテープなどで固定することで対処します。テープかぶれがある場合は、腹帯を巻くなどの工夫をされている患者さんもいらっしゃるようです。
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順天堂大学 医学部附属練馬病院
腎・高血圧内科 准教授 井尾 浩章 先生