なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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私は1日4回2Lの透析液交換をしていますが、1日3回の方や、液の量が1Lという方もいると聞きました。透析の回数や量が人によって違うのはなぜでしょうか?
(54歳 男性 PD歴1年7ヵ月)
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PDの処方は個々の患者さんの生活スタイルに合わせて、透析不足にならないような透析方法を組み立てます。自身の腎臓がまだ十分に機能していて尿量が保たれていれば、少ない透析回数で済みます。定期的に1日の尿をためたり、自宅で行った腹膜透析液の一部を持参して、現在どれくらい体内の水分や溶質(主に尿素窒素・クレアチニン・β2MGなどで評価します)が取り除かれているかを検査し、腎臓の機能低下に合わせて、透析回数や注液量を増やしていきます。1回の透析液量は体格に応じて決められることが多く、体重50kg以下の人は1.5L、50kg 以上の人は2L、75kg以上の人は2.5Lくらいが目安ですが、これも腎機能に応じて決定されます。
1回注液が1Lの人は、かなり体格が小さいか、心不全で水分除去を目的にしている可能性があります。
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東京医科大学八王子 医療センター
腎臓内科 臨床講師 吉川 憲子 先生