なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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そろそろHDとの併用が必要とのことで準備を始めました。PDとHDを併用する場合は、どのような組み合わせのパターンがあるのでしょうか?
(57歳 男性 PD歴5年)
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日本では2010年にPDとHDの併用療法が保険で認められ、現在総PD患者さんのうちの20%がHDまたはHDF(血液濾過透析)を併用しています。自身の腎機能が低下し、水分や毒素の除去が不十分になったらHDの併用が有効です。週1回のHDと6日のPDまたは、週5日のPDと1日休息日(透析をしない日)の組み合わせが標準的です。ほとんど尿が出ない場合は、週6日PDが必要になることが多いです。HDが2週に1回の併用パターンもありますが、かなり厳密な塩分・水分制限が必要になります。また併用患者さんの10%は週2回HDを行っていますが、週2回HDが必要であれば、HDのみに移行した方がよいという考え方もあります。まだ実施されるようになってから年数の浅い治療なので、どのパターンが合併症・生命予後の観点で有効かは現時点では判っていません。
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東京医科大学八王子 医療センター
腎臓内科 臨床講師 吉川 憲子 先生