なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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肉芽が出口部のチューブのところについています。先生からは無理にとらないようにと言われていますが、気になります。肉芽はなぜできるのでしょうか? また、治療にはどのような方法がありますか?
(54歳 女性 PD歴5年6ヵ月、HD併用3年2ヵ月)
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肉芽は、出口部の表皮と皮下組織の移行部に対するカテーテルの圧迫や摩擦などの刺激、または消毒薬などの刺激が原因となって形成されます。また、本人の栄養不良や皮膚の乾燥による皮膚のバリア機能低下も原因と考えられます。
対処方法は、最初に肉芽部分の刺激を取り除きます。カテーテルの固定が不十分で体を動かすときに出口がこすれたりしないか観察し、固定方法を変更してみてください。また肉芽と反対方向にカテーテルを固定するだけで肉芽が消えることもあります。消毒が刺激になっていることもあるので、中止して出口部の洗浄に切り替えることも勧めます。これらの処置で改善しない場合は、イソジンゲルや抗菌薬含有ステロイド軟膏が有効で、当院でも効果を実感しております。
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東京医科大学八王子 医療センター
腎臓内科 臨床講師 吉川 憲子 先生