なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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APDの時、カテーテルの位置が悪いせいなのか排液の時に少し痛みがあります。位置をよくするにはどうすればよいですか?
(20歳 男性 PD歴6ヵ月)
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排液の時のみに痛みを感じられているのであれば、カテーテルの位置異常ではないかもしれません。カテーテルの先端がダグラス窩(腹膜腔の最下部)にある場合は、時として排液が終わる頃に、引っ張られる感じの肛門周囲痛を来たします。この位置では貯留しているほとんどの透析液が排液されることになり(腹膜透析の効率上は理想的なのですが)、いわば搾り取られるような痛みを感じる場合があります。APDの場合はこの対策として、タイダール法を利用することが有効です。これは各サイクルで完全に排液せずに、多少液を残しておいて次の注液に移る設定です。位置異常で痛みが生じている場合には、運動や便通管理で自然修復することもありますが、困難な場合はさまざまな外科的方法があります。まずはレントゲンでカテーテルの位置を確認してもらってください。
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日本医科大学 多摩永山病院
腎臓内科 部長 金子 朋広 先生