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腹膜透析の情報誌「スマイル」

腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。

記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。

2017年

夜中に胃の辺りが痛み、翌朝バッグ交換をすると排液が濁っており、即入院となりました。PDを始めてから初めてのことです。外部から菌が入らなくても腹膜炎を起こすものなのでしょうか。

(73歳 女性 PD歴5年8ヵ月)

腹膜炎を来たす原因としましては、外部から菌が入ってくる外因性の感染経路が最も多いです。この中にはカテーテル操作中に手や雑菌の多い外部との接触によって感染する"経カテーテル感染"と、体表面のカテーテル出口部からカテーテルの周囲を伝って感染する"傍カテーテル感染"とがあります。その他の原因として、頻度は多くないのですが、虫垂炎、憩室炎、胆のう炎などの腹部臓器の炎症が波及した内因性の感染経路もあります。PDではブドウ糖などの栄養分を含んだ、微生物にとって好都合な腹膜透析液を注入しますので、腹膜炎を起こしやすい環境にあります。腸管からの感染を予防するためには、できるだけ便秘を避けることが重要で、大腸検査などをされる際には検査前に抗菌薬を使用することも勧められています。

回答者
日本医科大学 多摩永山病院 腎臓内科 部長 金子 朋広 先生

日本医科大学 多摩永山病院

腎臓内科 部長 金子 朋広 先生

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