なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2017年
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今まで、夜はお腹を空にしていましたが、先日から、夜に液を貯留するようになりました。すると、夜中に尿をしたくなったときに、すぐに行かないと少し漏れることがあります。お腹を空にしていたときにはそのようなことはなかったのですが、夜に液を入れていることが影響しているのでしょうか?
(79歳 女性 PD歴5年1ヵ月)
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腹膜透析液をお腹に入れると、入れた分の1~2Lという重さが、そのまま重力として体に影響を与えます。お腹の天井部分である横隔膜を圧迫するため胸や肩の筋肉が重苦しく痛んだり、重さで背骨に負担がかかることもあります。骨盤下方に重力がかかると、骨盤の底にある骨盤底筋と呼ばれる袋状の筋肉が骨盤の底を支えきれなくなってきて、これが弱くなることで尿道の括約筋障害を来します。尿道括約筋は骨盤底筋の一部からできているため、これが弱くなると尿がとっさのときに漏れやすくなったり、膀胱脱、子宮脱といった骨盤底部から臓器がはみ出してくる病気にかかりやすくなったりします。筋力を訓練で強くする治療や、手術が行われます。
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市立釧路総合病院
泌尿器科 統括診療部長 森田 研 先生