なんでも相談室
腹膜透析の情報誌「スマイル」
腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。
記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。
2016年
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出口部のガーゼを止めるテープを貼っている部分が痒く、いつも掻いてしまいます。掻かずに痒みを抑える方法はないでしょうか。また、腎臓の悪い人は身体に痒みが出ると聞きましたが、なぜでしょうか?
(51歳 男性 PD歴6ヵ月)
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皮膚の痒みは、腎不全の患者さんによく見られる症候です。血液透析(HD)やPDを受けている方の50~90%に痒みを認めたという報告もあります。痒みの原因はさまざまで、皮膚の乾燥や痒み物質の蓄積のほか、脳で痒みを感じやすい変化が起きていることなどが指摘されています。
引っ掻くことで一時的に痒みは治まりますが、皮膚に傷ができることでさらに乾燥しやすくなったり、皮膚に炎症を起こしたりするため、結果として痒みが悪化してしまいます。このため、掻かないことが治すための近道です。相談者様の場合、テープの刺激で痒みが誘発されている可能性がありますので、テープの種類を変えてみるか、出口の状態によってはガーゼやテープを貼らないこと、また、皮膚に保湿剤などを塗ることも有効と思われます。主治医の先生とご相談して、可能であればお試しください。
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信州大学医学部附属病院
腎臓内科 橋本 幸始 先生