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腹膜透析の情報誌「スマイル」

腹膜透析(PD)に関する基本的なこと、日常生活での疑問や不安、今さら聞きにくい質問など、専門の先生がみなさまからの質問にお答えします。

記事の内容、執筆者の所属等は発行当時のままです。
「なんでも相談室」では、はがきで寄せられた個々の相談についての回答を紹介しています。全ての患者さんに該当するものではありませんので、気になる症状がありましたら、主治医の先生にご相談ください。

2016年

そろそろHDへの移行を検討しましょうと言われ不安です。どのような状態になると、HDに移行しなければならないのでしょうか?

(67歳 女性 PD歴8年6ヵ月)

医師がPDからHDへの療法変更を提案する場合、主に2つのケースが考えられます。1つ目は、除水不良による体液過剰や透析不足などによる老廃物の蓄積、貧血の悪化などがみられる状態です。特に、体液管理は良好で透析不足の場合、自覚症状に乏しく療法変更を受け入れがたいと感じる方もおられますが、その後の生命予後を左右する重大な問題ですので、腹膜機能検査や透析効率・残存腎機能、臨床検査値などの推移を総合して適切な時期に移行する必要があります。2つ目は、被嚢性腹膜硬化症(EPS)の問題です。かつて酸性腹膜透析液を使用していた方に関する報告では、PD5年未満では2.8%、8年から10年では5.9%の症例でEPSが発生しており、このデータをもとにPDの継続期間は5~8年程度と考えられてきました。しかし、その後使用が可能になった中性腹膜透析液を主に使用した方での調査では、EPSの頻度は1%程度まで減少し、死亡する例も減少してきています。これらを踏まえて、現在は特に期限を設定せずに、個々の症例毎に評価して移行時期を検討するという考え方も広まってきています。

回答者
新潟大学地域医療教育センター 魚沼基幹病院 腎・膠原病内科 特任教授 飯野 則昭 先生

新潟大学地域医療教育センター
魚沼基幹病院

腎・膠原病内科
特任教授 飯野 則昭 先生

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